セルビア政府は16日、蓄電池併設型ソーラーパークの整備に関連し、米UGTリ
ニューワブルズと韓国・現代エンジニアリングから成る企業連合と戦略協定に調印
した。米国と先月結んだエネルギー戦略パートナーシップに沿うもので、エネル
ギー移行の加速を通じてセルビアのエネルギー安全保障強化を目指す。調印式には
アレクサンドル・ヴチッチ大統領のほか、米国と韓国の在セルビア大使も出席し
た。
ソーラーパークは、◇ボル郡ネゴティン市のシコレ(出力461 MWとヤセニツァ
(70.2 MW)◇レバネ郡レスコヴァツ市のヤブラニツァ(303 MW)とトゴチェフ
ツェ(65.9 MW)◇西バチュカ郡オジャツィ市のバチュキ・グラチャツ(65.9 MW)
◇プチニャ郡ブヤノヴァツ市のスルプスカ・クチャ(35.1 MW)——の6カ所に設け
る。合計出力は1,000メガワット(MW、ACベース)を超え、蓄電設備は最大出力が
200MW、総容量が400メガワット時となる。国営のセルビア電力(EPS)が管轄す
る。UGTリニューワブルズによると、プロジェクト規模は16億ユーロに上る。
今回のプロジェクトは、セルビア政府が先ごろ決定した国家エネルギー・気候対策
総合計画を構成する。この計画では、2030年までに太陽光と風力を合わせて3.5GW
の発電容量を整備し電力需要の45%を再エネでまかなうことを目指す。2028年の完
工を予定する。
ヴチッチ大統領は、ソーラーパークの年間発電量がセルビアの電力輸入量に相当す
る1.6〜1.7テラワット時になるという予測を示し、30年の稼働期間中に36億ユーロ
(1年あたり1.2億ユーロ)を節約できる計算になると強調。また、欧州連合(EU)
が生産時の炭素排出量を基準として輸入品に国境炭素税(CBAM)を課す予定である
ことに触れ、セルビア企業の対EU輸出を支える意義もあると話した。