自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは22日、独鉄鋼大手ティッセン
クルップ・スチールから低炭素鋼の供給を受けることで基本合意したと発表した。
スコープ3(サプライチェーン)の二酸化炭素(CO2)排出削減を図る狙い。鋼材は
自動車のカーボンフットプリントの大きな部分を占めるため、これを低炭素製品に
改めることは製品ライフサイクル全体のCO2排出削減につながる。
ティッセンはコークスの代わりにグリーン水素を100%還元剤として用いることが
できる直接還元鉄(DRI)製造施設をデュースブルク工場に設置して同拠点の脱炭
素化を図る「tkH2スチール」というプロジェクトを進めている。2027年に操業を開
始。当初は天然ガスを用いるものの水素の投入量を段階的に増やしていく。VWは同
工場で生産される「ブルーミント」ブランドの低炭素鋼を28年から調達する意向
だ。