ドイツ連邦交通省は24日、国内交通部門の2040年の二酸化炭素(CO2)排出量が
1990年比で77%減少するとの予測(VP2040)を発表した。交通量は増加するもの
の、自動車の電動化など輸送機器の脱炭素化が進むことから、排出総量が大きく低
下する。
VP2040によると、40年の人の移動距離は19年比7.9%増の1兆3,230億人キロ
(pkm)、貨物の輸送距離は同31.2%増の9,050億トンキロ(tkm)に拡大する。人
口がこの間に71万2,000人、国内総生産(GDP)が33%増えることが大きい。
人の移動距離を交通手段別でみると、伸び率が最も大きいのは鉄道で60%に達す
る。これに乗用車が32%、航空機が30%、バスが24%で続く。乗用車は1%減少。
徒歩も4%減る。
シェアをみると、乗用車は68.6%(19年比6.2ポイント減)とこれまでに引き続き
ダントツの1位にとどまる。2位は鉄道で12.3%(4.0ポイント増)、3位はバスで7.
5%(1.0ポイント増)、4位は航空機で5.0%(0.9ポイント増)、5位は自転車で4.
0%(0.7ポイント増)、6位は徒歩で2.6%(0.3ポイント減)となる。
貨物の輸送距離でも伸び率は鉄道が最も大きく35%に上る。これにトラックが34%
と僅差で続く。船舶は石油や石炭の需要が減ることから7%減少する見通しだ。
シェアはトラックが1.5ポイント増の73.9%、鉄道が0.6ポイント増の20.8%、船舶
が2.2ポイント減の5.3%となる。
40年のCO2排出量をみると、鉄道では炭素中立を実現する。乗用車と船舶は1990年
比でともに81%減少。トラック・バスと航空機もそれぞれ67%、51%縮小する。
交通部門のCO2排出量に占める割合は乗用車が61%、トラック・バスが34%、航空
機が3%、船舶が2%となる。