中国の長城汽車(GWM)が来年、ロシア現地生産能力を20万台に引き上げる。同国
自動車市場の回復を追い風に、生産を強化して市場シェアを拡大する狙い。ロイ
ター通信が25日、複数の現地メディアの報道として伝えた。
GWMは2019年以来、モスクワの南方200キロほどに位置する、トゥーラ州の工場で
SUVブランド「哈弗(ハバル)」を生産している。中国自動車メーカーで現地生産
工場を運営するのは同社のみで、現在の年産能力は15万台だ。
『ベドモスチ』と『コメルサント』の現地両紙は25日、ハバル・モーター・ルスの
アンドレイ・アキフィエフ社長の談話として、来年までに年産能力を20万台へ強化
すると伝えた。昨年の生産台数は10万台だった。
ロシアの自動車市場調査会社アフトスタットによると、今年1-9月期のハバル・ブ
ランド車の販売台数は13万6,410台で、市場シェアは13.07%だった。ロシア最大手
アフトワズの「ラーダ」は27%を超えたが、その差は縮まっている
中国メーカーでは奇瑞汽車(チェリー)もロシア生産を強化しているという報道が
今月あったが、こちらは、ほとんど出来上がった自動車をロシアに輸出し、西側
メーカーの工場だったところで最終組み立てを行う形をとっている。