リトアニアのクライペダ港湾運営会社はこのほど、グリーン水素の製造・充てん設
備の整備で地場系のエンジニアリング企業MTグループと設計・調達・建設(EPC)
契約を結んだ。税抜き契約額は870万ユーロ。来年着工、2026年稼働を予定してい
る。プロジェクト総額は1,050万ユーロで、このうち600万ユーロを欧州連合(EU)
からの助成で賄う。
3メガワット(MW)のプロトン交換膜(PEM)型水電解槽を導入する。1日当たり約
500キロ、年間で最大127トンを生産する計画だ。
クライペダ港で生産される水素はまず停泊船舶から廃棄物を集めるタンカー船の燃
料として利用する。余剰分は他の船舶、鉄道、自動車用燃料となる。公共交通機関
や自家用車による活用も視野に入れている。クライペダ港でサービスを提供する荷
役会社のうちの1社は、機関車用として購入契約を結んだ。他にも輸送機械向けに
関心を示している会社があるという。
同プロジェクトは今年5月に環境影響評価手続きが完了し、環境保護庁の許可を受
けた。水素生産に必要な水は、脱塩・冷却工程に使われる分も含めて年間およそ4,
200立方メートルという。