ドイツ連邦カルテル庁は10月31日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の高級ス
ポーツ車子会社ポルシェが電池大手のファルタに出資する計画と、ファルタの
100%子会社である車載電池製造のV4ドライブ・バッテリーを買収する計画をとも
に承認したと発表した。アンドレアス・ムント長官は、競争が阻害される可能性は
ないと明言した。
ファルタは7月、民事再生手続きの適用を裁判所に申請した。これを受け、同社の
救済に向けた取り組みが進められ、8月には債権者と戦略投資家が再建計画で合
意。ファルタにはオーストリアの投資家ミヒャエル・トイナー氏とポルシェがそれ
ぞれ32%、債権者が計36%を出資することが取り決められた。
ポルシェはV4ドライブ・バッテリーが開発中の電池セルを自社モデルに搭載するこ
とを計画している。ファルタが破たんするとこの計画がとん挫しかねないことか
ら、V4ドライブ・バッテリーへの出資を通して、電池セルを確実に調達できるよう
にする考えだ。株式70%を取得し子会社化する。
カルテル庁はファルタへのポルシェの出資について、ポルシェの親会社であるVWと
ファルタは事業分野が異なることから市場競争が損なわれる恐れはないと判断し
た。ポルシェのV4ドライブ・バッテリー買収に関しても、V4ドライブ・バッテリー
がポルシェ以外の企業にも車載電池を供給する見通しなどを踏まえ、問題はないと
結論付けた。