スイス・スチールグループは15日、欧州の生産能力を縮小すると発表した。需要が低
迷し、回復も当面見込めないことを受けた措置。これによりフルタイム勤務社員800
人分の生産能力を圧縮し、スイス、ドイツ、フランスの生産拠点を長期的に維持でき
るようにする。雇用規模は来年半ばまでに現在の約7,500人から7,000人未満に減少す
る見通しだ。
欧州の鉄鋼業界は長期の構造不況に陥っており、スイス・スチールでは昨年の売上高
が前年比20%減の32億ユーロに縮小。純損益は2億9,500万ユーロの赤字となった。
業績改善に向け、スイスのエメンブリュッケ工場では生産・管理分野の社員750人の
うち130人を削減する。退職による自然減を活用するものの、それだけでは足りない
ことから約80人を整理解雇する見通しだ。
独子会社ドイチェ・エーデルシュタールヴェルケでは、労使協定の特別条項を発動し
て、週労働時間を約15%削減する。