リトアニアのアグリテック企業であるフレイヤ・カルティヴェーション・システム
ズ(Freya Cultivation)は16日、シードラウンドで50万ユーロを調達したと発表
した。この資金で主力製品「アエロフレーム」の実証用グリーンハウスをカウナス
近郊に建て、中欧・西欧諸国や米国、カナダ、日本のスマート農業関係者に自らの
目でその性能を確かめてもらう方針。これにより、売上高を300万ユーロ増やすこ
とを狙う。同時に製品開発を継続して自動化を進める。播種・収穫の先端技術を組
み込む予定だ。
フレイヤは2018年の創業。グリーンハウスに節水型ミスト栽培を取り入れ、収穫を
拡大させるシステムを開発している。同社によると、主力製品の「エアロフレー
ム」では、栽培面を斜めに配置することで耕作面積を2倍に拡大し、利益が3倍に増
える。また、競合システムに比べると、イチゴやレタス、ハーブ、トマトなど、さ
まざまな作物で収穫量を倍増させられる。独自開発の超音波霧化栽培装置のおかげ
で、肥料液を適切な大きさにして噴霧することが可能になった。
この超音波霧化栽培装置は、世界銀行の支援を受けてジブチで実施されているトマ
ト栽培プロジェクトに採用されているほか、南アフリカのバイオテック企業も利用
している。さらに、ある宇宙開発機構でも試験中という。
フレイヤは世界的な青果需要の拡大が続いていることを受け、自社の技術が一つの
回答になると自負している。また、テクノロジーの開発が盛んなリトアニアで、ア
グリテック分野をけん引していきたい意向だ。
今回の投資ラウンドでは、地元のコインベスト・キャピタル(投資額:25万ユー
ロ)とBSVベンチャーズ(旧バルティック・サンドボックス・ベンチャーズ)が主
導し、やはりリトアニアのソフィガマ(Sofigama)とエストニアのツナミ、そして
個人投資家のポーリウス・ヴィレマス氏とマルコ・レフトヴァーラ氏が参加した。
フレイヤ・カルティヴェーション・システムズ社ホームページ
https://freyacultivation.com/