石油大手オルレン、営業用水素ステーションがカトヴィツェで開所

ポーランド石油最大手のオルレンは12月23日、シロンスク県のカトヴィツェでグ
ループ4カ所目の営業用水素ステーションがオープンしたと発表した。昨年稼働し
たヴウォツワヴェクの水素ハブから供給を受ける。
新ステーションはオルレンの給油所に併設する形で設けられた。町から高速道路A4
号線に抜ける道沿いにあり、水素で走る車を持つ人であればだれでも年中無休で利
用できる。充填口は2口。1つはバス、トラックなどの大型車両用(350気圧)で、
もう1つは乗用車用(700気圧)だ。貯蔵容量は630キロで、1日あたりバス20台と乗
用車5台に充填できる計算という。
カトヴィツェのステーションは欧州連合(EU)の助成を受けて進められている「ク
リーンシティ:ポーランド水素モビリティ計画」を構成するものだ。昨年6月に第1
号拠点として開所したポズナニの水素ステーションでは毎日、乗用車に加えて市営
バス25台に水素を供給している。23年にパイロットプロジェクトとして開設された
クラクフ市営バスのヴォラ・ドゥハツカ車庫内のステーションは今でもバスの水素
充填に利用されている。
今後数年の間に、オルレンはクリーンシティ第2期計画の枠内で、ビエルスコ・
ビャワ、ゴジュフ・ヴィエルコポルスキ、ヴァウブジフ、クラクフ、ヴウォツワ
ヴェク、クディニャ、ピワ、ワルシャワに水素ステーションを設ける。第3期計画
ではさらに16カ所が加わる予定だ。第1期と第2期でEUから7,000万ユーロ、第3期に
ついては6,200万ユーロの助成を受けている。
オルレンは水素事業の強化を掲げる「オルレン2030」戦略に基づき、30年までに
ポーランド、チェコ、スロバキアで自動車および鉄道向けに水素充填施設を合計
100カ所以上、整備する計画だ。再生可能エネルギーを用いた電解水素や一般廃棄
物由来の低炭素水素を生産する欧州水素ハブ・ネットワークから水素を調達するこ
とになっている。

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