ハイブリッドVTOLのズリ、300万ユーロを調達

ハイブリッド垂直離着陸機(VTOL)を手がけるチェコの新興企業ズリ(Zuri)がプ
レシリーズAラウンドで300万ユーロを調達した。資金は2代目の実証機「TD 2.0」
の製作に投じる。業務を加速するため人員を強化する予定だ。
ズリは2017年の創業。電気とSAF(持続可能な航空燃料)で飛ぶハイブリッドVTOL
を開発する。
商用化を目指す「ズリ2.0」は5人乗り。垂直発進用にティルトローターを8基、効
率よく前進するための固定翼を2対備える。純粋な電動VTOLは航続距離を延ばすの
が難しいため、ディーゼル発電機を搭載して700キロの移動を可能にした。将来的
にはSAFを採用することで環境負荷をさらに抑える計画だ。
時速は商用モデルで300キロ。コンパクトな作りで高層ビルの屋上にも着陸できる
という。高性能の航空電子機器(アビオニクス)およびナビゲーションシステムを
搭載し、人工知能(AI)を活用した障害物認識能力も持つ。
製作を予定する2代目の実証機と初代実証機との主な相違点は、◇電動モーターと
内燃力発電を組み合わせることで航続距離の延長、運航の柔軟性向上と、環境負荷
削減を両立◇離着陸、遷移飛行、巡航の飛行モード全てを実証◇ティルトローター
の改良と尾翼の再設計で、空気力学的な効率、安定性、総合的な性能が向上——な
どだ。
今回の調達ラウンドでは、ペールファイヤー・キャピタルのジェネラルパートナー
であるヤン・バルタ(Jan Barta)氏がリードインベスターを務め、欧米のエン
ジェル投資家が参加した。

ズリ社ホームページ
https://zuri.com/

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