独自動車工業会(VDA)は21日、今年から大幅に強化された乗用車の欧州連合(EU)
二酸化炭素(CO2)排出規制を順守するためには、ドイツでは電動車の新車登録台数
を前年比53%増の87万3,000台に引き上げる必要があるとの試算を発表した。電動車
の主力をなす電気自動車(BEV)の需要が低迷するなか、電動車の国内販売を1.5倍に
増やすことは容易でないとみられる。
EUでは乗用車のCO2排出規制が今年から強化され、許容上限が従来の走行1キロメート
ル当たり平均116グラムから93.6グラムに引き下げられる。達成できないメーカーに
は制裁金が課される。ドイツで24年に新規登録された乗用車のCO2排出量は平均119.8
グラムだった。
VDAによると、同国の新規登録車がEUの25年規制を順守するためには、BEVの台数を
75%増の66万6,000台、プラグインハイブリッド車(PHV)を同8%増の20万7,000台に
拡大する必要がある。同年の乗用車新車登録(1%増の280万台=VDA予測)に占める
割合はBEVで24年の13.5%から約24%、PHVで同6.8%から7%強に拡大しなければな
らない。
電動車の25年国内生産台数については過去最高となった前年を24%上回る170万台に
拡大するとの予測を提示した。BEVで30%、PHVで2%の増加を見込む。