インターネットやソーシャルメディアにおける偽情報の検知ソリューションを手が
けるウクライナのレッツデータ(LetsData)は15日、プレシードラウンドで160万
ユーロを調達したことを明らかにした。同ソリューションを使うと、リスクを見つ
ける作業を自動化でき、企業・機関はそれへの対処に人員を集中できる。
レッツデータの技術は、人工知能(AI)を活用してテレグラム、ユーチューブ、
ティックトックなど1億以上のウェブサイト、ソーシャルメディアで公開されてい
る文章や動画のメタデータを分析する。意味理解(semantic understanding)の過
程でコンテンツを関連づけたり、グループ化し、情報操作の意図や、操作が同機能
しているのかを見つけ出す。
レッツデータでは、セキュリティ脅威情報を踏まえた対策の実行を組織のワークフ
ローに統合できるようにすることを計画している。評判に傷がついたり、サイバー
攻撃を受けたり、業務中断を余儀なくされたりするような事態が起こる前に行動で
きるようにするためだ。
同社のソリューションは50を超える言語、地域をカバーし、すでに英国大使館や、
北大西洋条約機構(NATO)加盟国の軍隊、米国、英国、欧州の企業が利用してい
る。
創業者の一人であるクセニア・イリウク氏は「ロシアによるウクライナ侵攻で、情
報操作を検出する高度なソリューションの需要が急増したのを受けて、レッツデー
タを自己資金で設立した。人手やスキルの不足に対応するため、複雑な研修も大き
な資金を要するプロセスも要らず、使い始めたその日から、リスクがみつかったと
きに対応するだけで良いシステムを作るのが目的だった」と話す。そして、自社の
ソリューションを業界標準にする目標を掲げていることを明らかにした。
今回の調達ラウンドでは、米国・ポーランド系のSMOKベンチャーズ、西テレフォニ
カ系のワイラ、チェコのティリア・インパクト・ベンチャーズ、ウクライナ人が英
国で設立した1991ベンチャーズ、米グーグルのウクライナ・サポートファンド、エ
ストニアのスタートアップ・ワイズガイズのほか、パヴラ・ボボシコヴァ氏
(WFHomieの創業者)やマーティ・クラツキーカッツ氏(ブロックスルーの創業
者)などのエンジェル投資家も参加した。
レッツデータ社ホームページ
https://letsdata.net/