独鉄鋼大手のザルツギッターは2日、新戦略「ザルツギッターAG 2030」を発表した。持続可能性に関する意識の高まりやCO2排出量の削減目標を設定する動きが活発化していることを受け、循環経済の実現に向けた取り組みを強化する。科学的根拠に基づく二酸化炭素(CO2)排出量の削減目標の設定を求める「サイエンス・ベースド・ターゲット・イニシアチブ(SBTi)」にも加盟した。
循環経済の実現に向けては、省資源・再利用・リサイクルの取り組みより、天然資源を有効活用を推進する。
気候保護の取り組みにおいては、2030年までに「スコープ1」(自社の直接排出)、と「スコープ2」(購入したエネルギーからの間接排出)におけるCO2排出量を2018年比で50%以上削減する目標を設定した。同年までに、再生可能エネルギーの自家発電も含め、電力調達を再生可能エネルギーのみとする。また、くず鉄のリサイクルを年300万トン超に拡大する
脱炭素化の取り組みとしては、低炭素の鉄鋼生産を目指すプログラム「SALCOS」を強化する。2025年には、同プログラムを通して開発した最初の高炉や電気炉が操業を開始する見通しであり、2026年には100トンを超える再生可能エネルギー由来のグリーン・スチールを生産する計画。
このほか、既存および新規の事業分野の成長により、2025年までに売上高を110億ユーロに拡大する目標を掲げている。効率改善プログラムを継続し、2026年から年1億5,000万ユーロを超える利益改善の効果を見込んでいる。
同日には、新しいロゴも発表した。