独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は、世界にあるグループ工場すべてに「MPB(Modularer Produktionsbaukasten)」と呼ばれる共通の生産方式を導入する計画だ。22日付けの独経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が報じた。
\MPBはプレス加工から組み立ての全工程が対象となり、アウディやセアト、シュコダなどのグループブランドにも導入される。VWブランドのフーベルト・ヴァルトル取締役(生産担当)はMPBの導入についてHB紙に対し、「生産の柔軟性が高まり、新モデルの生産を開始するための始動期間を大幅に短縮できる」と説明している。新工場を建設するための投資も20%削減できるという。
\新生産方式は現在、ドイツにあるアウディのインゴルシュタット工場とVWのヴォルフスブルクおよびツヴィッカウ工場で導入を進めている。今年末には、スペインのマルトレル(セアト)とチェコのムラダー・ボレスラフ工場(シュコダ)にも導入する計画という。
\VWは工場を共通の方式にするとともに、横置きエンジンを搭載した前輪駆動車の車台を共通化する新たな生産システム「MQB(Modularer Quer Baukasten)」も導入する。MPBおよびMQBは今夏に発売予定のアウディの新型「A3」と今年末に発売予定のVWの新型「ゴルフ」に採用されるという。
\HB紙によると、MQBの開発では、アウディが約10年前に開発した縦置きエンジンを搭載した車両の車台を共通化する生産方式「MLB(Modularer Laengsbaukasten)」と呼ばれる技術のノウハウが生かされているという。
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