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2012/3/23

企業情報 - 部品メーカー

ボッシュとサムスン、リチウムイオン電池の合弁解消も

この記事の要約

リチウムイオン電池事業の合弁会社SBリモーティブをめぐり、独自動車部品大手のボッシュとサムスンの子会社であるサムスンSDIの間に不協和音が生じているもようだ。19日付けの『フィナンシャルタイムズ(ドイツ版、FTD)』紙な […]

リチウムイオン電池事業の合弁会社SBリモーティブをめぐり、独自動車部品大手のボッシュとサムスンの子会社であるサムスンSDIの間に不協和音が生じているもようだ。19日付けの『フィナンシャルタイムズ(ドイツ版、FTD)』紙などによると、SBリモーティブの将来方針について両社の意見が異なり、意思決定に時間がかかるなどの問題が生じているという。今後も協力関係は続ける方向ではあるものの、合弁解消の可能性も視野に入れた協議が行われているもようだ。

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SBリモーティブは2008年の設立で、韓国のウルサンに工場を持つ。BMW、フィアット、ポルシェなどから受注を獲得している。両社は5年間で5億ドルを投資する計画を打ち出しており、ドイツに新工場を建設する計画もあると見られていた。

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■ 将来の方向性などで意見相違

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FTD紙によると、サムスンは家電用の小型電池としても使用できる電池の開発を希望する一方、ボッシュは電気自動車用の大型電池の開発に注力したい方針という。

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サムスンはリチウムイオン電池セルの生産技術に優れる一方、ボッシュはパワーエレクトロニクスなど自動車に電池を組み込むためのシステムに強い。ベルギッシュ・グラートバッハにある経済専門大学(FHDW)付属の自動車研究センター、センター・オブ・オートモーティブのステファン・ブラッツエル教授は独経済紙『ハンデルスブラット』に対し、両社は事業分野が異なるため、顧客や事業サイクルにも違いがあることが、合弁事業の運営を難しくしている、との見解を示している。

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メディア報道では今後ついて、ボッシュがサムスンからリチウムイオン電池セルの供給を受けるという協力関係にとどめるとの見方が強いようだ。

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ドイツの大手部品メーカーと韓国企業との協力では、独コンティネンタルと韓国のエネルギー・化学大手のSKイノベーションが今年1月に自動車向けのリチウムイオン電池モジュールを開発・生産・販売する合弁会社を設立することで合意しており、今後の動向に注目が集まる。

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