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2012/4/20

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独エボニックの火災事故、自動車部品の供給に影響の恐れ

この記事の要約

独化学大手エボニックのCDT(シクロドデカトリエン)工場で3月31日に火災事故が発生したことを受けて、自動車業界ではCDTベースの樹脂部品の供給に影響が出る恐れが強まっている。\ CDTは自動車の燃料チューブやブレーキチ […]

独化学大手エボニックのCDT(シクロドデカトリエン)工場で3月31日に火災事故が発生したことを受けて、自動車業界ではCDTベースの樹脂部品の供給に影響が出る恐れが強まっている。

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CDTは自動車の燃料チューブやブレーキチューブ、ガソリンタンクの製造に用いられるナイロン12(ポリアミド12、PA12)の生産に使用されている。

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メディア報道によると、ナイロン12の在庫は1~2カ月程しかないと見られている。事故からすでに20日が経過しており、代替原料の試験や生産体制の構築にも時間がかかるもよう。米自動車部品メーカーのTIオートモーティブはすでに、早急に解決策が見つからない場合は生産に影響がでる恐れがあると顧客に伝えているという。

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エボニックの広報部は本誌の問い合わせに対し、「生産再開に向けて製造設備を発注するなど手をつくしているが、少なくとも3カ月は生産を再開できない」と述べ、冬が始まる前までに生産を再開できることを目指していると明らかにした。

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同社では、バイオポリマーの「ヴェスタミド・テラ(VESTAMID Terra)」を代替原料として使用する可能性などを各顧客と模索しているという。

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ダウジョーンズ通信によると、デュポン、BASF、ダウ・ケミカルなどの他の化学大手も対策に動いている。デュポンは緊急に作業チームを立ち上げ、顧客毎に代替原料の可能性を探しているという。また、ダウ・ケミカルはナイロン12を製造していないものの、代わりとして「ナイロン6-6」などを提案していく方針という。

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また、ダウジョーンズ通信などの報道によると、デトロイトではゼネラルモーターズ(GM)やトヨタなど完成車メーカー8社と自動車部品メーカー50社がこのほど緊急会議を開いた。6つの作業グループを発足させ、部品への影響や自動車の生産ラインへの影響を調べるなど、対策を立てていくことになった。

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3月31日にドイツのマール工場で発生した火災事故では、従業員2名が死亡した。

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