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2012/6/8

総合 – 自動車産業ニュース

CARS21、EUに排ガス規制の見直しなどを勧告

この記事の要約

欧州自動車産業の競争力強化と持続的な発展を図るための協議を行うハイレベル会合、CARS21(Competitive Automotive Regulatory System for the 21st Century)は6 […]

欧州自動車産業の競争力強化と持続的な発展を図るための協議を行うハイレベル会合、CARS21(Competitive Automotive Regulatory System for the 21st Century)は6月6日、欧州連合(EU)の排ガス規制の見直しや通商政策の改善などを勧告する報告書を発表した。欧州自動車工業会(ACEA)はEUに対し、同レポートの勧告を迅速に遂行するよう要請している。

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当該レポートは、道路輸送における二酸化炭素(CO2)排出量を削減するためには、自動車の排ガスにとどまらず、インフラやドライバーの運転方法などにも配慮した総合的な取り組みが必要であると指摘。また、自動車の排ガスに含まれるCO2の評価方法についても、車両のタイプによって社会的な用途が異なることに考慮するなど、見直す必要があると勧告している。

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EUでは域内で販売されるすべての新車を対象に、15年までにCO2排出量を走行1キロメートルあたり平均130グラム以下に抑える規制が12年から段階的に導入される。また、2020年までにCO2排出量を同平均95グラムに削減する目標を掲げている。

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ただし、CAR21のレポートでは、EUが2020年に掲げる目標は技術上、実現が可能であり、同目標を達成するために必要な開発および生産コストの負担増は当初予想を下回る見通しも示している。

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■ 欧州自工会会長、EUの支援を要請

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ACEAの会長を務めるフィアットのセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)はCARS21の報告書について、「自動車産業は世界市場において熾烈な競争にさらされており、欧州自動車産業の地位を保持し強化するためには、EU規制の枠組みによるサポートがこれまで以上に必要となる」と指摘。通商政策については、「報告書では相互の利益になるような貿易関係を築くべきであると強調しているが、これまでの経験ではEUは妥協する傾向が強い」と述べ、通商政策と産業政策が一致するような政策を求めた。

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ACEAによると、2012年の欧州市場の乗用車新車登録は2011年に比べ約7%縮小する見通し。また、メーカーによって程度は異なるものの、欧州の自動車生産も減少するとの見通しを示している。

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欧州連合(EU)欧州委員会のアントニオ・タヤーニ委員(産業・企業担当)によると、CARS2は今年秋に自動車業界の2020年の戦略的展望を発表する予定。今回の報告書には、電気自動車の普及促進や道路交通の安全性向上など、2020年の展望に向けた勧告も盛り込まれている。

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