独自動車大手のダイムラーは6月12日、仏北東部のドイツ国境近くにあるハンバッハ工場に2億ユーロ以上を投資すると発表した。同工場では超小型車ブランド「スマート」のモデルを生産している。資金は新モデルの投入に向けた準備や環境にやさしい塗装設備の導入などに充てる。
\ダイムラーは仏自動車大手のルノーと共同で2人乗り乗用車「フォーツー」の次世代モデルとルノーの小型車「トゥインゴ」を開発している。独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、両社の提携の一環として、スマートの4人乗りバージョンを発売する計画もあり、4人乗りモデルもハンバッハ工場で生産する予定という。
\ダイムラーによると、今回発表した2億ユーロ超の投資のうち、最大のプロジェクトは新たな塗装設備の導入で、規模は5,000万ユーロ以上。現行の粉体塗装から、より環境負荷の低い液状塗装に切り替える。
\ \■ スマートの電気自動車の生産を開始
\ \ハンバッハ工場ではこのほど、スマートの2人乗り乗用車「フォーツー」をベースに開発した電気自動車(EV)「スマート・フォーツー・エレクトリック・ドライブ」の生産を開始した。同モデルの予約は今月12日から受け付けている。出荷は夏の終わり頃からを予定している。
\同モデルは出力55kWの電気モーターを搭載し、停止した状態から時速60kmに4.8秒で加速できる。最高速度は時速125km。容量17.6kWhのリチウムイオン電池を搭載し、1回のフル充電で145kmを走行できる。
\電気モーターは、ダイムラーが独自動車部品大手のボッシュと設立した合弁会社EMモーティブから調達。リチウムイオン電池は、独化学大手エボニックとの合弁会社であるDeutsche Accumotiveが生産している。
\ドイツでの販売価格(バッテリー込み)は、クーペが2万3,680ユーロ、カブリオレは2万6,770ユーロ。バッテリーを月65ユーロでリースする場合は、クーペが1万8,910ユーロ、カブリオレは2万2,000ユーロとなる。
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