伊タイヤ大手ピレリのマルコ・トロンケッティ・プロヴェーラ社長はこのほど、『フィナンシャルタイムズ(FTD、ドイツ版)』紙の取材に対し、財政問題による欧州市場の景気悪化に備えていることを明らかにした。また、今後についてはプレミアムタイヤと欧州域外の販売活動を強化していく方針を示している。
\同社長はFTD紙に対し、「現在、南欧市場の需要が最も低迷している」と述べたうえで、需要の急減に対応できるよう生産能力に約30%の柔軟性を持たせている、と明らかにした。また、欧州市場は同社の売上高の約40%、イタリアは7%にとどまると付け加えた。
\プレミアムタイヤの販売では、2011年からフォーミュラ1(F1)にタイヤを独占供給している。プレミアムタイヤでは原料価格の変動による影響に対応しやすいなどの利点があるという。地域では、ロシアでの事業拡大に期待を寄せている。同国では今後、高級車の需要も高まると見込んでいる。
\同社は2012年通期の売上高で前年比14%増の64億5,000万ユーロを見込んでいる。当初は66億ユーロを見込んでいたが、5月の第1四半期(1~3月)決算発表会で下方修正した。
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