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2012/9/21

一般・技術・その他 (旧)

アシストシステムによる事故減少も保険業界には恩恵少ない

この記事の要約

独保険大手アリアンツのマルクス・リース社長は11日の記者会見で、運転支援システムの普及により将来、自動車事故の件数が減少するとの見通しを明らかにした。一方、事故1件当たりの修理費用は上昇しており、自動車保険料金の値下げに […]

独保険大手アリアンツのマルクス・リース社長は11日の記者会見で、運転支援システムの普及により将来、自動車事故の件数が減少するとの見通しを明らかにした。一方、事故1件当たりの修理費用は上昇しており、自動車保険料金の値下げに結びつくかは現時点では判断できないとした。

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リース社長によると、自動車事故の9割はよそ見、前方不注意、不十分な車間距離など、ドライバーの運転ミスや見込み違いに起因する。こうしたミスの多くは運転支援システムによってかなりカバーすることができるため、アシストシステムが普及することで事故発生件数を「少しずつながらも確実に減らすことができる」としている。

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一方、安全性を高めるシステム技術は破損した際の修理費増大も招いている。リース社長によると、例えばヘッドアップディスプレーを組み込んだフロントガラスの修理費は通常のフロントガラスに比べ最大1.4倍高い。同社長は「事故件数は減ったが、修理にともなう保険金支払いは増加の一途をたどっている」と述べたうえで、激しい価格競争が続くドイツの自動車保険市場ではコスト上昇分を思うように顧客に転嫁できず、業界全体では損益分岐点を下回っていると指摘、破滅的な価格競争に歯止めをかける必要があるとの考えを示した。

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