米化学大手の3Mは欧州事業への投資を拡大する方針だ。ドイツ子会社3Mドイッチェラントのハンスヨアヒム・ドレース部長(自動車・航空宇宙事業部)がこのほど独業界紙『オートモビルボッヘ』に明らかにしたところによると、欧州では現在、市場シェアが拡大しているほか、例えば、ドア用シール材の自動接着技術など、新たな技術やアプリケーションによる新たな事業開拓を進めていることが理由という。
\同紙によると3Mは現在、ポーランドのブロツラフ工場に触媒の新生産ラインを整備している。2013年には3Mの高機能中綿素材「シンサレート」を使用した吸音・断熱材の生産ラインも導入する計画という。同吸音・断熱材はこれまで中国工場でのみ生産していた。さらにドイツのヒルデン工場では2014年に高性能接着テープ用のコーティング設備を稼働させる予定。
\ドレース部長によると、3Mドイツ子会社の2011年の売上高は前年比6.5%増の22億5,000万ユーロに拡大した。2012年は若干の減収となる見通しであるものの、市場シェアは拡大しているという。自動車業界では特に、溶接から接着技術にシフトする動きが事業の追い風になっている。溶接から接着に切り替えることで平均的な乗用車では重量を2.5~4キログラム軽減することができるという。その他の成長分野としてはエッジガードや生産工程における自動洗浄技術を挙げている。
\