独変速機大手のゲトラクは2日、ドイツのルードヴィヒスブルク(シュツットガルト近郊)にあるタイミングギア工場を独同業のケプファーに売却することで合意したと発表した。中核事業の乗用車用変速機に経営資源を集中するための措置と説明している。両社は今後詳細を詰め、2013年6月に取引を完了する予定。取引価格は公表しないことで合意している。
\ケプファーは今回の取引によりタイミングギアの生産能力を拡大し、ドイツ市場におけるプレゼンスを強化する。ルードヴィヒスブルク工場の従業員137人をすべて引き継ぎ、事業を継続する。同工場では2016年までの受注を抱えており、今後もさらに事業を強化していく方針を示している。ケプファーはドイツ南西部のフルヴァンゲンに本社を置く。1867年の設立で、従業員数は約330人、売上高は約5,000万ユーロ。
\独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、ゲトラクが売却する事業の売上高は約3,500万ユーロ。黒字を確保しているという。生産能力は年40万個でメルセデスやボルボ・カーズを顧客に持つ。ただ、ゲトラクにとって事業規模が小さく、投資をデュアルクラッチトランスミッションなどの変速機事業に集中する意向だ。同事業ではアジアや米国の生産を強化している。ゲトラクの売上高は約30億ユーロ、世界に約1万2,820人の従業員を持つ。
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