ブルガリアは、自動車産業への外国企業誘致でルーマニアやハンガリー、セルビアといった周辺国に後れを取っている。同国には中国の長城汽車が欧州初の生産拠点を設けているが、今後誘致に向けた取り組みを一段と強化し、長城汽車に続く大型投資を実現させたい考えだ。
\アーンスト・ヤングのコンサルタント、ニコラエワ氏によると、ブルガリアは法人税率や所得税率の低さ、豊富な熟練労働者、安定した経済状況を武器に投資の誘致に成功してきた。また、西欧市場に近くEU加盟国として規制の枠組みが共通化されていることも魅力だ。一方で、法執行の緩慢さや行政手続の煩雑さが投資家を遠ざけるリスク要因となりうると指摘する。
\長城汽車は2011年、リテックス・モーターズと合弁でブルガリア北部ロベチに組み立て工場を開設。小型ピックアップトラック「風駿(Steed)」などを生産している。自動車部品メーカーでは、ジョンソン・コントロールズ、グラマー、ウルト・エレクトロニクがブルガリアに生産拠点を持つ。ニコラエワ氏によると、油圧部品、ケーブル装置、センサーの生産に伝統を持つ地域で、自動車部品メーカーの集積が進んでいるという。
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