独自動車大手のダイムラーは1日、ブラジルにメルセデスベンツの乗用車工場を建設すると発表した。投資規模は総額約1億7,000万ユーロ。サンパウロから北へ約160キロメートルのサンパウロ州イラセマポリスに建設し、2016年に生産を開始する予定。
\ダイムラーは塗装設備を導入する新工場で、新型「Cクラス」とコンパクトSUV「GLA」の2モデルを完全ノックダウン方式(CKD)で生産する計画。現地法人が近く、用地の購入契約を結び、着工する見通しという。生産規模は差し当たり年2万台、従業員数は約1,000人を予定している。取引先の部品メーカーでは3,000人の雇用が創出される見通しという。
\ \■ アウディ、BMWもブラジルで現地生産
\ \ドイツメーカーでは、フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディが9月にブラジルで2015年から現地生産を開始すると発表したばかり。BMWも昨年10月、ブラジルで2014年に生産を開始する計画を発表している。
\自動車大手が相次いでブラジルに生産進出する背景には、現地生産に対する政府の助成措置や税優遇、煩雑な輸入手続きや輸入税の回避、レアル安によりブラジルからの輸出が有利になっていることや国内における高級車市場の成長が見込まれていることなどがある。
\ \■ 乗用車の現地生産に再挑戦
\ \ダイムラーはブラジルでコンパクトカー「Aクラス」を現地生産していたが、販売が振るわず2005年に生産を停止した経緯がある。同工場では現在、南米市場向けにトラックを生産している。ダイムラーは新工場の建設により、ブラジルで乗用車、トラック、バス、デリバリバンと幅広い車種を現地生産することになる。
\アウディもブラジルで「A3」を現地生産していたが、需要が伸びず2006年に現地生産から撤退した経験を持つ。BMWは今回、初めて現地生産に乗り出す。
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