独化学大手のBASFは5日、兵庫県尼崎市にある既存の研究開発センター内に新設したバッテリー材料研究所の開所式を行った。アジア・太平洋地域では同社にとって初めての基礎研究、開発、顧客サポートの機能を兼ね備えたバッテリー材料研究施設になるという。同社はバッテリー材料事業のグローバルネットワークの拡大を進めており、欧州、北米、アジア・太平洋の3地域でそれぞれのニーズに応じた研究施設を設け、売上高を2020年までに約5億ユーロに拡大することを目指している。
尼崎の研究開発センターの面積は約600平方メートル。高性能リチウムイオン電池用の電解液と電極材料の開発に重点を置く方針であり、日本の顧客との共同開発を通して、ニーズに迅速に対応していく。また、有機太陽電池・有機トランジスタ・有機ELなどの電子材料の既存の研究チームとの相乗効果も見込んでいる。
BASFのバッテリー材料事業では、世界に6カ所の製造・パイロット製造拠点(ドイツ、米国4カ所、中国)と6カ所の研究開発拠点(ドイツ、米国3カ所、中国、日本・尼崎)を持つ。