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2014/4/11

一般・技術・その他 (旧)

独ミュンヘン大学、新冷媒からフッ化カルボニル発生の危険を指摘

この記事の要約

独ミュンヘン大学の研究チームはこのほど、カーエアコン用の新冷媒「R1234yf」について、火災を伴う自動車事故が起こった際に「R1234yf」から強い毒性のあるフッ化カルボニルが発生することが分かったと発表した。分析結果 […]

独ミュンヘン大学の研究チームはこのほど、カーエアコン用の新冷媒「R1234yf」について、火災を伴う自動車事故が起こった際に「R1234yf」から強い毒性のあるフッ化カルボニルが発生することが分かったと発表した。分析結果は独学術誌『Zeitschrift fuer Naturforschung』に掲載されている。

研究チームは今回の研究結果について、「これまでにR1234yfの燃焼によりフッ化水素が発生することは知られていたが、我々の分析では燃焼により発生するガスの20%がフッ化カルボニルであることが分かった」と説明している。

フッ化カルボニルは第一次世界大戦に使用された化学兵器であるホスゲンに構造が似ており、目や肌、気道が炎症を起こすほか、吸い込んでしまった場合には肺胞が損傷を受ける。また、血液循環系に入り込むと死に至る恐れがあるという。

このため、研究チームはR1234yfのリスクについて改めて評価する必要があると指摘している。

独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、R1234yfのメーカーである米ハネウエルはミュンヘン大学の分析結果について、「フッ化カルボニルの発生については把握しているが、短時間で消失するため人体へのリスクはない。調査結果からカーエアコンの冷媒として安全に使用できることが分かっている」とコメントしている。

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