米フェデラルモーグルはこのほど、独ヴィースバーデンの工場で国際プレスカンファレンスを開き、商用車向けの新シェル型針状ころ軸受ブッシュ「Irox」を披露した。材料に鉛を使用しないで環境に配慮するとともに、従来製品より高い耐久性を実現している。
Iroxの潤滑材料には青銅(Cu-Sn)を主成分とする焼結基材と樹脂系の固体潤滑剤を含む無鉛潤滑材料を使用している。ビッグエンドベアリングシェルの95MPaの応力に堪えられる強度を持つためには従来、スパッタコーティングが必要だったが、フェデラルモーグルはこれに代わる素材として鉛フリーの銅基材・樹脂複合材料の開発に力を入れてきた。
商用車エンジン用軸受けの鉛含有量についてまだ法的規制はないものの、環境性能を求める顧客に付加価値の高い製品を提供していく。
Iroxは市販化されたばかりで、現在のところ国際的な自動車メーカー1社が採用を決めただけだが、複数のメーカーが試験導入中という。