独自動車大手のダイムラーは16日、9月中に同社初のプラグインハイブリッド車「S500プラグインハイブリッド」の納車を開始すると発表した。同社のトーマス・ヴェーバー開発担当取締役は独業界紙『オートモビルボッヘ』に対し、2017年までにプラグインハイブリッド車10モデルを市場投入する方針を明らかにした。プラグインハイブリッド車の積極投入により欧州連合(EU)の排ガス規制強化に対応する。
「S500プラグインハイブリッド」はV型6気筒ツインターボエンジンの搭載により、V型8気筒並みの走行性能を実現した。システム出力は325kW、トルクは650Nm。停止した状態から時速100キロメートル(km)に5.2秒で加速する。電気モーター単独で33 kmを走行できる。同モデルの走行100 kmあたりの燃費は2.8リットル、走行1km当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は65グラムという。
「Sクラス」では、「S400ハイブリッド」、「S300ブルーテック・ハイブリッド」に続く3番目のハイブリッド車となる。
■C、Eクラスなどでプラグインハイブリッド車を計画
ヴェーバー取締役は『オートモビルボッヘ』紙に対し今後について、「S500プラグインハイブリッド」の後は、「Cクラス」と「Eクラス」、続いて大型オフロード車でプラグインハイブリッドモデルの投入を計画していると明らかにした。「クーペ」や「カブリオレ」でも準備を進めているという。「Aクラス」と「Bクラス」の小型車は従来の内燃エンジン搭載車で低燃費化が進んでおり、これまではプラグインハイブリッド車戦略の対象外となっていたが、次世代モデルからプラグインハイブリッド車も開発する方針を示している。