英自動車工業会(SMMT)が1月23日発表した国内自動車生産統計によると、2014年12月の乗用車生産は、前年同月比27.1%増の10万8,721台に拡大した。国内向けが49.5%増、輸出向けも22.3%増と大幅に伸びた。
2014年通期では152万8,148台と前年比1.2%の微増にとどまった。国内向けが前年比で8.0%伸びた一方、生産の80%近くを占める輸出向けが0.5%減少した。欧州連合(EU)市場の回復が予想よりも遅いペースであることや、一部の国外市場における販売低迷が響いた。
SMMTによると、英国で生産した乗用車の輸出先は、欧州連合(EU)向けが最も多く、次いで中国が多い。中国向けの輸出台数は2007年に全体の約1%にとどまっていたが、2014年は全体の約12%を占めた。また、輸出モデル1台当たりの卸売価格の平均は、2014年は2万1,800ポンドと、2004年の1万200ポンドから約2倍に伸びている。
■ 商用車生産、12月は12.6%増・2013年7月以来初めて増加に転じる
商用車の生産は、12月は前年同月比12.6%増の5,815台となり、2013年7月以来初めて前年同月を上回った。輸出は29.1%減と低迷したが、国内向けが177.7%増と大幅に伸びた。14年通期は前年比19.7%減の7万731台だった。
SMMTのホーズ会長は、「2013年の国内の生産体制再編の影響はもはやなく、新モデルの生産増加や国内市場の好調により2015年はより力強い年となる」と述べ、先行きに明るい見通しを示した。
エンジン生産は、12月単月では前年同月比6.7%増の15万9,193基に伸びたものの、14年通期では前年比6.2%減の239万4,668基にとどまった。複数の工場で新製品の生産に向けた設備入れ替え作業などがあったためで、SMMTのホーズ会長は12月の増加は今後生産が拡大する兆候を示すものであるとの見解を示している。