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2015/2/13

企業情報 - 部品メーカー

クラレ、欧州工場でEVOH樹脂の生産能力増強

この記事の要約

クラレ(東京都千代田区)は6日、ベルギーのアントワープに拠点を置く欧州現地法人エバールヨーロッパがエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂「エバール」の生産能力を増強すると発表した。新興国での需要拡大を見込み、 […]

クラレ(東京都千代田区)は6日、ベルギーのアントワープに拠点を置く欧州現地法人エバールヨーロッパがエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂「エバール」の生産能力を増強すると発表した。新興国での需要拡大を見込み、安定した供給体制を確立する。クラレの「エバール」の生産能力は現在、世界3カ所の工場で年8万1,000トン。エバールヨーロッパの生産能力増強により、生産能力は年9万2,000トンに拡大する。

エバールヨーロッパはクラレの100%子会社で、従業員数は約120人。今回の計画では、生産能力を現在の年2万4,000トンから1万1,000トン増やし、年3万5,000トンに拡大する。設備投資は約80億円で、2016年末に稼働する予定。

EVOH樹脂「エバール」は、ガスバリア性に優れた機能性樹脂で、内容物の劣化を防ぐ特徴があるため、食品の包装材や、発揮ガソリンの漏えいを防止する用途で自動車のガソリンタンクに使用されているという。また、汚れを防止する壁紙、床暖房パイプ、冷蔵庫用真空断熱版にも用途が広がっている。

従来は主に日米欧を中心とする先進国に出荷してきたが、新興諸国でも需要が拡大する見通しから、生産能力の増強に踏み切った。

現在のエバールの生産能力の内訳は、米テキサス州の工場が4万7,000トン、エバールヨーロッパが2万4,000トン、日本の岡山工場が1万トンとなっている。

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