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2015/2/20

総合 – 自動車産業ニュース

インダストリー4.0、データ・スペース構築で合意

この記事の要約

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は17日に経済界も参加してベルリンのフラウンホーファー研究所で開いた「インダストリー4.0」に関する会議で、あらゆる企業が利用できる「インダストリー・データ・スペース」を構築することで合意 […]

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は17日に経済界も参加してベルリンのフラウンホーファー研究所で開いた「インダストリー4.0」に関する会議で、あらゆる企業が利用できる「インダストリー・データ・スペース」を構築することで合意したと発表した。共通の標準化づくりへの取り組みでも協力する。データ・スペースの構築では、データの安全性を重視している。今回の取り組みには、BMBFのほか、連邦経済省、連邦交通省、連邦内務省も参加する。

独経済紙『ハンデルスブラット』によると、17日の会議には、情報技術(IT)や自動車、自動車部品、化学、鉄鋼など幅広い業界から約50社の企業幹部が参加したもよう。ドイツの「インダストリー4.0」は「第4次産業革命」を意味するもので、産業のデジタル化を目指す取り組み。産官学の協力により、製造やロジスティクス、産業サービスにスマートテクノロジーをフル活用し、製造分野に大きな転換をもたらす試みが進められている。

このような取り組みの実現には、例えば、複数の工場をネットワーク化する必要があるが、『ハンデルスブラット』紙によると、企業の間では重要なデータが流出するリスクなどデータの安全性に懸念を持つ企業が多いという。また、ブロードバンド網の整備が十分に進んでいないことも課題とされている。

データ・スペースの構築では、フラウンホーファー研究所と産業界が協力し、ドイツ政府もこの取組を支援する。

■ 新しいコンソーシアム発足へ、標準化の動きを加速

今回の合意は、データの安全性に関する懸念に対応するとともに、標準化の動きを加速する狙いがあるとされている。背景には、2014年3月にゼネラル・エレクトリック(GE)など米大手5社が中心となりモノのインターネット(IoT)の普及推進を目指す「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)」を設立したことがある。IICにはドイツのシーメンスやボッシュなども参加しており、世界から高い関心を集めている。

ドイツでは2013年に、ドイツ機械工業連盟(VDMA)、ドイツ電気・電子工業会(ZVEI)、ドイツ情報通信技術業界連盟(Bitkom)の3業界団体の主導によりイニシアチブ「プラットフォーム・インダストリー4.0」が発足した。ただ、同イニシアチブでは大きな成果が得られていないことから、データ・スペースの構築や標準化に取り組むコンソーシアムを立ち上げる動きとなったもよう。ハノーバーで3月に開催される情報通信技術見本市「CeBIT」でコンソーシアム発足に関する発表があるとの憶測もある。

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