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2015/3/20

企業情報 - 自動車メーカー

GM、ロシア事業を見直し・サンクトペテルブルク工場の生産停止

この記事の要約

米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は18日、ロシアにおける事業を見直すと発表した。2015年12月までにシボレーブランドは量産モデルを市場から撤退させ、事業を大幅に縮小する。また、オペルは2015年12月までにロ […]

米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は18日、ロシアにおける事業を見直すと発表した。2015年12月までにシボレーブランドは量産モデルを市場から撤退させ、事業を大幅に縮小する。また、オペルは2015年12月までにロシア市場から撤退する。今後は、高級ブランドであるキャデラックおよびシボレーの「コルベット」「カマロ」「タホ」といった高級モデルに集中する。

サンクトペテルブルク工場は今年半ばまでに生産を停止する。また、ロシア商用車最大手のGAZに委託しているシボレーモデルの生産も中止する。一方、ロシア自動車最大手アフトワズとGMの合弁事業は継続し、現行世代のシボレー「ニーヴァ」を生産・販売する。高級ブランドのキャデラックでは新モデルも投入し事業拡大を図っていく方針を示している。今回の戦略見直しにより、最大で約6億米ドルの特別経費が発生すると見込んでいる。

■  ルーブル下落で値上げ、部品の半分以上を輸入に依存

オペルのカールトーマス・ノイマン社長は、独経済紙『ハンデルスブラット』(19日付)に掲載されたインタビュー記事の中で、ロシア市場からの撤退について、「ルーブルの大幅な下落を受けて販売価格を引き上げたため、市場シェアを失った」と述べるとともに、中・長期的にロシア市場の回復は見込めないと判断し市場撤退を決めた、と説明した。

ノイマン社長はサンクトペテルブルク工場の生産停止について、部品の現地調達比率が高ければルーブルの為替変動の影響を受けないが、オペルでは生産の現地化を進めてきたものの、依然として部品の半分以上を輸入に頼っており、エンジンもすべて輸入していると述べ、値上げを実施せざるを得なかった事情を説明した。また、短期的にルーブルが持ち直す見込みもないことから、現時点で現地生産を積極化することはできない、とも述べた。

サンクトペテルブルク工場の生産停止により、従業員1,150人の大部分は解雇されることになるが、一部は工場の保守業務などのために残すという。ノイマン社長によると、ロシアでは現在、シボレーとオペルを主に販売するディーラー約180社と契約しているが、この契約も解約しなければならないとした。ただ、交換部品の販売やサービスに対応する体制を維持する意向を示している。

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