伊自動車部品大手のマニエッティ・マレリはこのほど、中国で自動車用照明システムの新工場(湖北省孝感市)と拡張工事を終えた電子システム工場(広東省広州市)の操業を開始した。総投資額は約3,600万ユーロ。生産能力を増強し、中国市場の需要拡大に対応する。
■ 孝感市に照明システムの新工場を稼働
湖北省孝感市では4月15日、中国の軍需メーカー、中国南方工業集団公司の子会社である湖北華中光電科技と設立した合弁会社が新工場の操業を開始した。自動車用のヘッドライトやテールランプを生産し、製品は主に、近隣地域に工場を持つ自動車メーカーに供給する。初期投資は1,400万ユーロ。今後5年間で約3倍の投資を行い、需要拡大に応じて生産規模を拡大していく方針を示している。
新工場の用地面積は4万4,000平方メートル以上で、うち2万8,000平方メートルに建物が建設されている。工場内には、研究開発(R&D)センター(約4,000平方メートル)もある。従業員数は、年内は160人以上となる見通しで、今後5年間で段階的に増員していく。生産能力は当初、ヘッドライトが50万個(主にフォード「トーラス」向けのハロゲンヘッドライトおよびアダプティブLEDヘッドライト『E-Light』)だが、2019年にはヘッドライト250万個および後部ライト250万個に拡大する計画。
製品は、長安汽車や同社の合弁会社である長安フォード汽車や長安鈴木汽車、東風汽車の合弁会社である東風プジョー・シトロエン自動車(DPCA)、東風本田汽車など、孝感市エリアの自動車メーカーに供給する。
■ 広州市の電子システム工場を拡張
広東省広州市にある既存工場は4月16日に操業を開始した。拡張工事の投資は2,200万ユーロ。現在の従業員数は650人で、生産能力は自動車用電子モジュール350万ユニットとなっている。今回の拡張工事により、2019年までに生産能力は1,000万ユニットに、従業員数は2倍に拡大する予定。
同工場では、計器群や、パワートレイン、照明、ボディ用の電子システム、インフォテイメントやテレマティックスなどを生産している。用地面積は5万平方メートルで、研究開発(R&D)センター(3,500平方メートル)も含め4万1,000平方メートルを使用している。
同工場では中国の乗用車市場の拡大に伴い、製品ポートフォリオを拡大し、研究開発やデザイン業務も強化する必要があり、今回の拡張工事を実施した。