独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は5日、傘下の商用車ブランドであるMANとスカニアを統括するホールディング会社トラック・アンド・バス(Truck & Bus GmbH)を設立すると発表した。VWが保有するスカニア(出資比率:100%)とMAN(議決権ベースの出資比率:75.28%)の持ち分を新会社に移行する。両ブランドを存続させながら、中・大型のトラック・バス事業における経営の相乗効果を高める狙い。
新会社の社長にはVWのアンドレアス・レンシュラー取締役が就任する。レンシュラー氏は競合ダイムラーの商用車部門担当取締役だった経歴を持つ。監査役会長はVWのマルティン・ヴィンターコルン社長が務める。
新会社はMANトラック・アンド・バス、MANラテンアメリカ、スカニアの3社の連携を図る。小型商用車を生産するVWヌッツファールツォイゲも商用車連合の一部に位置付けられるが、VWの乗用車ブランドとの連携を今後も継続する。
VWは新しい組織体制により、ブランドを横断して戦略、開発、人事、調達などを調整することにより、商用車事業における決定を迅速化し、利益率や技術力、顧客満足度の向上を目指す。