スイスの電池メーカー、ルクランシェは9日、デンマークのスビュー造船所が建造する電気フェリーにバッテリーシステムを供給すると発表した。ルクランシェのリチウムイオン電池と提携先であるフィンランドのエンジニアリング会社ヴィセドの電気駆動システムを組み合わせ、容量4.2MWhのバッテリーシステムを供給する。このフェリーは、電気駆動フェリーとしては世界最大の船舶になるという。自動車や旅客を輸送するフェリーとして2017年6月にデンマークのエーロ島と本土を結ぶ航路に就航する予定。
この電気フェリーのプロジェクトは、欧州連合(EU)の研究開発・イノベーション促進のための基本計画「ホライズン2020」のプロジェクトであるとともに、デンマークが取り組む環境にやさしい交通手段を地域住民に提供するためのプロジェクトの一環として実施される。
電気フェリーはディーゼルエンジンを搭載するフェリーに比べ、二酸化炭素(CO2)の排出量を年2000トン、窒素酸化物(NOx)を年41.5トンを削減することができるほか、騒音や運行中に発生する波を抑えることができる。
ルクランシェによると、電気フェリーの市場規模は現在の26億米ドルから2023年には63億米ドルに拡大すると予想されている。