独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループは10月28日、2015年第3四半期(7~9月)の営業損益で34億7,900万ユーロの赤字を計上したと発表した。ディーゼル車に不正ソフトウエアを搭載した問題の対策費として約67億ユーロを計上したことが大きく影響した。特別費用計上前の営業損益は前年同期に比べ0.7%の減益にとどまり、32億600万ユーロの黒字だった。
第3四半期の出荷台数は前年同期比3.4%減の239万2,000台、売上高は同5.3%増の514億8,700万ユーロだった。
1~9月のVWグループの売上高は前年同期比8.5%増の1,602億6,300万ユーロ。営業利益は、特別費用計上前で101億9,700万ユーロと8.3%の増益を確保したものの、特別費計上後は33億4,200万ユーロにとどまり、前年同期比で64.5%の大幅減益となった。1~9月の出荷台数は前年同期比1.5%減の743万1,000台だった。
VWは2015年通期では、売上高で前年比最大4%の増収を見込んでいる。営業損益は、不正ソフトウエア関連の費用負担が重く、前年から大幅に悪化し、赤字となる見通しを示した。特別費用計上前の売上高営業利益率は、VWグループ全体で5.5~6.5%、乗用車部門では6.0~7.0%を予想している。