ドイツのシュツットガルトで10月12~14日に開催された蓄電技術や電気自動車、燃料電池などの見本市「ワールド・オブ・エナジー・ソリューションズ(WORLD OF ENERGY SOLUTIONS)」で、第15回「エフセルアワード(f-cell award)」が授与された。29件の応募者から、「製品・マーケット」賞は独自動車部品大手のエルリングクリンガーが、「研究開発(R&D)」賞は独フライブルク大学マイクロシステム工学研究所(IMTEK)がそれぞれ受賞した。
エルリングクリンガーは、固体高分子形燃料電池(PEM)セルを使用した移動機器用の燃料電池モジュール「BZM5」で受賞した。「BZM5」は、出力5~50キロワット(kW)のモジュールを供給することが可能で、フォークリフトなどの構内運搬車のほか、小型商用車や乗用車にも搭載が可能という。今回の受賞では、耐久性や出力密度などの性能データと技術成熟度の高さが評価された。
IMTEKは前回に続く連続受賞で、今回は固体高分子形燃料電池(PEM)の部材である膜・電極接合体(MEA)に関する製造工程の簡易化で受賞した。カナダのサイモンフレーザー大学との協力により、燃料電池用ガス拡散層基材(GDL)にMEAを吹き付ける「スプレー・コーティング工程」と呼ばれる技術を開発した。
賞金はそれぞれ1万ユーロ。授賞式は10月12日に行われた。