独高級車大手のBMWは2016年2月にグーグルドイツ法人に勤務した経歴を持つイェンス・モンゼース(Jens Monsees)氏(45)をデジタル戦略担当副社長に起用した。モンゼース氏はビッグデータなども含めた新しいデジタル事業分野の責任者となり、BMWグループのマークス・シュラム最高戦略責任者に業務報告する。
モンゼースは、2003~2008年までBMWに勤務しており、MINIブランドの国際コミュニケーション戦略やBMWの動画を配信するBMWTVの開発に携わった。その後、グーグルのドイツ法人で自動車分野などを担当し、2014年10月からは独メディア大手ベルテルスマンの子会社アルヴァト・ソリューショングループでデジタルマーケティング事業を統括した経歴を持つ。
独経済誌『ヴィルツシャフツボッヘ』によると、モンゼース氏は、従業員約20人の新しい部署を構築し、BMWグループのデジタル関連プロジェクトを集約するとともに、生産における3Dプリンタの活用や自動車のネット販売、ビックデータの活用など、新しい事業モデルも提案していく役割を担うもよう。
同誌によると、BMWでは依然として機械工学やエンジン開発者の発言力が強く、ITとソフトウエアの優先順位は低いという。同社では現在、4,000人を超えるソフトウエア専門家を抱えているが、従業員の負荷は上限に達しており、IT分野では数百人の人員が不足しているという。