ドイツポストは配送用の電気自動車「ストリート・スクーター」を量産する計画だ。年内に2,000台を導入し、数年以内には3万台に増やす計画。同社のユルゲン・ゲルデス取締役が独『フォーカス』誌(4月2日発行)に明らかにした。ドイツポストは市内での配送業務を二酸化炭素(CO2)ニュートラルにする取り組みを全国に広げることを目指している。
ドイツポストは、アーヘン工科大学(RWTH)が中心となって2010年に設立した新興企業ストリート・スクーターを2014年12月に買収した。ストリート・スクーターは2012年にドイツポスト向けの電気自動車のプロトタイプを発表しており、ドイツポストは2013年夏に小包や書簡の配送業務向けにストリート・スクーターを試験導入した。2015年初めには約100台のストリート・スクーターを国内のさまざまな拠点で活用している。
ゲルデス取締役によると、ストリート・スクーターの開発にはドイツポストの従業員も協力した。配送業務に適した実用的な設計のため、生産コストを低く抑えることができたとしている。1回のフル充電による航続距離は最大80キロメートルで、最高速度は最大80キロメートル。1日に約200回もドアを開けて乗降車を繰り返すため、空調機器は装備していない。急速充電にも対応しておらず、配送業務を終えた夜間に通常電源から7時間ほどかけて充電する。
ゲルデス取締役によると、ストリート・スクーターの購入を希望する外部からの問い合わせもあるため販売も視野に入れているが、現在は自社用車両の生産に生産能力をフルに活用していく方針だ。