「急速な技術的進歩は脅威だけでなく好機」=BMW社長

独高級車大手BMWのハラルド・クリューガー社長は6月8日、ミュンヘンで催された自動車専門紙『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ』主催の業界会議を締めくくる基調講演で、技術的進歩の猛烈なスピードにより、自動車メーカーにとってはテスラのような新しいライバルが現れてきた一方で、人工知能のような新しい機会も生まれている、との見解を示した。

クリューガー社長は、「つい最近まで我々の競合はメルセデス、アウディ、ポルシェだったが、我々は今、テスラやファラデー・フューチャーといった新しい参入者を目の当たりにしている。10年前にこれらの企業を誰が知っていただろうか?」と述べるとともに、グーグル、アップル、百度(バイドゥ)、アリババといったハイテク企業の名も挙げ、「我々の産業もこれらの変化に対応していかなければならない」と強調した。

その一方で、人工知能の急速な進歩により、ドライバーの自動車との交流方法は変化すると述べ、「モビリティーはより多彩になる」との見解を示した。具体的な例としては、BMWが3月に発表したコンセプトカー「ビジョン・ネクスト100」に装備したデジタル知能「コンパニオン(Companion)」を挙げた。コンパニオンはドライバーの意図や習慣などを学習して常に改善することにより、より個別ニーズに合った対応を可能にするとした。

BMWは2021年にサブブランド「BMW i」から新モデル「iネクスト」を発売する計画。

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