韓国サムスンの子会社であるサムスンSDIは8月30日、ハンガリーに自動車用電池の工場を建設すると発表した。電気自動車の普及を見込み、欧州の自動車メーカーの需要に迅速に対応できる体制を整える。新工場は2018年下半期に商用生産を開始する予定。
新工場への投資規模は約4,000億ウォンで、生産能力は純粋な電気自動車で年5万台分となる。韓国の蔚山(ウルサン)と中国の西安にある既存工場と合わせて自動車用電池の三極生産体制を構築する。
新工場は、ブダペストから北へ25キロメートル離れたグドゥ(Goed)にある旧ディスプレー工場を再利用することで、工期を短縮し建設コストを縮減する。面積は約33万平方メートル。新工場では、バッテリーセルとセルを組み合わせたバッテリーパックを生産する。
独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、サムスンSDIは現在、BMW、フォルクスワーゲン(VW)、ジャガー、フィアットに自動車用電池を供給しており、例えば、BMW「i3」やフィアット「500e」などにサムスンSDIの製品が採用されている。
■ オーストリアSDIBSとの相乗効果も
サムスンSDIは2015年にカナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルのオーストリア子会社であるマグナ・シュタイヤーからバッテリーパック事業を買収しており、オーストリアのツェットリング(グラーツ近郊)にバッテリーパックを生産するサムスンSDIバッテリーシステムズ(SDIBS)を持つ。サムスンSDIはハンガリー工場とSDIBSの相乗効果も見込んでいる。
(1KRW=0.09JPY)