独リンデ、米プラクスエアとの合併交渉決裂

独産業ガス大手のリンデは12日、米同業のプラクスエアとの合併・統合に向けた事前交渉が成立せず、協議を終えたと発表した。原則として戦略的な優位性は確認されたが、詳細項目についての議論において特にガバナンスで合意できなかった、と説明している。翌13日には、財務担当取締役のゲオルグ・デノケ氏が即日退任する人事を発表。ヴォルフガング・ビュヘレ社長も辞任を希望したが、任期の2017年4月までは現職にとどまると明らかにした。

産業ガス業界では、仏競合のエア・リキードが2015年11月に、米同業のエアガスを買収すると発表し、リンデを抜いて売上高で世界最大の産業ガスメーカーに躍進した。リンデとプラクスエアの合弁が成立すれば、再び業界首位が入れ替わるはずだったが、両社の交渉は白紙となった。

メディア報道によると、プラクスエアはオランダに合弁事業の拠点を設けることを提案したが、リンデ側は本社のあるミュンヘンを中核拠点として保持することを望むなど、経営の主導権や拠点などで意見が分かれたもよう。

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