ドイツ航空宇宙センター(DLR)の交通システム技術研究所は、自動車とさまざまな機器やモノを通信で連携する「Car to X」技術を電車に活用した「Rail to X」技術の開発を進めている。踏切での交通事故削減や、運転の快適性向上、電車運行の効率改善などの効果を見込んでいる。
DLRの研究チームは、例えば、電車が踏切を通過することを車載ディスプレーに表示してドライバーに事前に知らせたり、踏切が再び開くまでの残り時間を表示するシステムの開発を計画している。また、地方の小さな駅では、乗客が少ないため、駅に設置された停車ボタンを押した時のみ電車が駅に止まるシステムを採用しているケースがあるが、この停車希望の連絡をスマートフォンから送信するシステムも可能としている。
DLRではこのほか、電車の定期運行中に架線の異常を点検するための計測システムも開発しており、電車だけでなくインフラも通信技術で連携すれば不具合に早期に対応できると説明している。
DLRはベルリンで9月20 ~23日まで開催された国際鉄道技術専門見本市「InnoTrans」で、自動車のシミュレーションシステムを使用してこれらのケースをデモンストレーションとして紹介した。