独高級車大手のBMWは、サブブランド「BMW i」以外のブランドからも純粋な電気自動車を発売する計画だ。訪米中のハラルド・クリューガー社長が認めたもので、BMWの新型「X3」が皮切りとなり、MINIからも電気自動車を発売する計画があるという。
BMWが量産車からも電気自動車を発売する方向に戦略を転換したのは、排ガス規制が厳しくなる中、電気自動車の販売台数を大幅に増やす必要があるためと見られている。
「i」ブランドから発売した小型電気自動車「i3」やプラグインハイブリッドスポーツカー「i8」は注目度が高く、顧客の大半はこれらのモデルに満足しているという。しかし、「i3」の炭素繊維を使用した車体では、大型の充電池を搭載するスペースを確保できず、航続距離の延伸に限界がある。これに対し、SUVモデルの「X3」は床下に充電池を配置するスペースがある。また、SUVは二酸化炭素(CO2)排出量が多い車種であり、電気自動車化するメリットが大きい。
■ 電気自動車の普及を促す3要素は「航続距離」「インフラ」「価格設定」
BMWのハラルド・クリューガー社長は11日、米カリフォルニア州サンタモニカで行われたブルームバーグ通信のインタビュー取材の中で、電気自動車の普及を促進するための3要素として「航続距離」「インフラストラクチャー」「価格設定」を挙げた。
同社長はこのほか、同社の電気駆動化プログラムが第2フェーズに入っていると語った。第1フェーズは、サブブランド「BMW i」の立ち上げや「i3」と「i8」の発売であり、第2フェーズはBMWやMINI、自動二輪を含めたBMWグループのポートフォリオ全体を電気駆動化する動きであると説明した。また、電気駆動化の取り組みは短距離走ではなくマラソンであり、時間を要するともコメントした。