コンサルティング大手のマッキンゼーが2010年から定期的に実施しているエレクトロモビリティに関する調査(EVI:Electric Vehicle Index)の最新結果によると、独高級車大手のBMWは2016年のエレクトロモビリティの世界市場シェア(電気自動車およびハイブリッド車の販売台数)で7%を獲得し、順位を2015年の6位から3位に上げた。1位は中国のBYD(市場シェア:13%)、2位は米テスラ(9%)だった。
ドイツ勢では、フォルクスワーゲン(VW)が前年より販売を減らし、市場シェアで5%とし、6位となった。ダイムラーはトップ10入りできず、15位だった。
マッキンゼーは2010年から、世界14カ国(中国、デンマーク、ドイツ、フランス、英国、アイルランド、イタリア、日本、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、韓国、米国)を対象に、定期的にエレクトロモビリティに関するランキング(EVI:Electric Vehicle Index)を実施している。2015年初めには新しい分析方法を導入し、市場(市場シェア、助成措置、インフラ整備、販売モデル数など)と産業(生産台数、電気モーターや電池などの主要部品の生産など)の両分野からエレクトロモビリティ市場の動向を分析している。
■ 新車登録・生産台数は中国、新車登録に占める割合はノルウェーが首位
同調査によると、2016年のエレクトロモビリティ(電気自動車およびハイブリッド車)の新車登録台数では、世界全体(74万3,000台)のうち、中国が35万2,000台(前年比69%増)で最も多かった。新車登録台数に占めるエレクトロモビリティの割合は、ノルウェーが24%で最も高かった。欧州は20万2,000台で、7%の増加にとどまった。米国は15万9,000台で、37%の増加だった。
また、中国と米国では純粋な電気自動車が多い一方、欧州ではプラグインハイブリッド車が半数以上を占めた。
中国の生産台数は87万2,095台となり、世界全体の生産台数の43%を占めた。ドイツは23%、米国は17%だった。
部品では、中国がバッテリーセル生産で世界全体の25%、電気モーターでは37%を占めた。
中国は販売モデル数も75モデルと、最も多かった。マッキンゼーによると、中国は販売モデルの幅広さに加え、エレクトロモビリティに対する購入補助金や大都市での新車登録の優遇といった直接・間接的な助成措置、さらに充電インフラの整備加速が普及促進に寄与している。