独自動車大手のダイムラーは7月3日、アフリカのケニアにメルセデスベンツのバス2モデルを市場投入すると発表した。中央・東アフリカの旅客輸送において快適性や安全性に優れた車両の需要が高まっていることに対応する。2モデルは、現地の販売提携先であるディーティー・ドビー・ケニア(DT Dobie Kenya)の協力を得て、ナイロビでノックダウン生産する。ダイムラーによると、ケニアのバス市場は将来的に年2,500台の新車需要が見込まれている。
ケニアに市場投入するのは、市バスやスクールバス、シャトルバスなどに適しているコンパクトなシティバス「917」と長距離走行に適した「1730」の2モデル。
ケニアではトラック用の車台を使用したバスが多く、サスペンションが硬いほか、乗降口も高いという難点がある。これに対し、ダイムラーが現地生産するバスは、インドのチェンナイとブラジルのサンベルナルド・ド・カンポにあるダイムラー工場からバス用の車台「OF917」(車両総重量:10.4トン)と「OF1730」(同:18トン)を調達し、現地でノックダウン生産する。アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)などを装備しており、快適性と高い安全性、信頼性が特徴という。
■ 地域統括拠点をケニアのナイロビに開設
ダイムラーは2016年2月に中央・東西アフリカの地域統括拠点をケニアのナイロビに開設した。小型から大型の商用車(トラック、バス)を取り扱っており、メルセデスベンツのトラック・バスのほか、三菱ふそう(FUSOブランド)の商用車も販売している。
同拠点は、ケニアのほか、ナイジェリア、タンザニア、カメルーン、ガーナなど40の市場を統括する。当該地域は合わせて7億7,000万人の人口を抱えており、25歳以下の若年層が全体の68%を占めていることから、ダイムラーは長期的に高い潜在成長性があると見込んでいる。また、同社によると、同地域の国内総生産(GDP)は平均で年5%伸びており、国外直接投資も2000年から6倍に拡大している。