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2017/7/21

企業情報 - 自動車メーカー

ダイムラー、独ウンターテュルクハイム工場で電動車の駆動部品を生産

この記事の要約

独自動車大手のダイムラーは13日、ドイツのウンターテュルクハイム工場で電気駆動車(エレクトロモビリティ)向けの駆動部品を生産することで労使合意したと発表した。これにより同工場の生産は、内燃エンジン、変速機、車軸など従来の […]

独自動車大手のダイムラーは13日、ドイツのウンターテュルクハイム工場で電気駆動車(エレクトロモビリティ)向けの駆動部品を生産することで労使合意したと発表した。これにより同工場の生産は、内燃エンジン、変速機、車軸など従来の内燃エンジン車向けの部品から、将来の普及が見込まれる電気駆動車向けの駆動部品の生産へ段階的に移行していく。今回の合意により、ウンターテュルクハイム工場は同社の世界のパワートレイン生産の旗艦工場としての地位を堅持することになった。

今回の合意により、ウンターテュルクハイム工場では、電気駆動車(エレクトロモビリティ)関連の生産で250人を超える新規雇用が予定されている。

また、同工場では今後数年、内燃エンジン車とハイブリッド車向けの駆動システムの増産を計画している。

ウンターテュルクハイム工場は6カ所(ウンターテュルクハイム、バート・カンシュタット、ヘーデルフィンゲン、メッティンゲン、ブリュール、エスリンゲン)の生産施設で構成されており、合計で1万9,000人を超える従業員が勤務している。

■ 4カ所目の電池工場に

具体的には、ウンターテュルクハイム工場で電池を生産するほか、前輪車軸と後輪車軸(フロントおよびリアアクスル)への電気駆動モジュールの組み込みなどを行う。電池生産では、ドイツ東部のカーメンツ(2工場)、中国の北京工場に続く、4カ所目の電池工場となる。

ダイムラーは現在、カーメンツに第2工場を建設しており、今年7月には、北京汽車(BAIC)との合弁会社である北京ベンツ・オートモーティブ(BBAC)を通して北京に電池工場を建設する計画を発表している。

また、今回の労使交渉では、エレクトロモビリティに特化したメルセデス・ベンツの新ブランド「EQ」が販売するコンパクトカーから上級、高級クラスのモデルまでの電気駆動モジュールをウンターテュルクハイム工場で生産することでも合意した。

将来は、ドイツのシンデルフィンゲン工場で生産するEQブランドの電気自動車にウンターテュルクハイム工場から部品を供給することになる。

■ プロジェクトハウス「eATS」を設置、燃料電池スタックも生産

今回の交渉ではさらに、次世代の電気駆動システムに関するノウハウを集約するため、ウンターテュルクハイム工場にプロジェクトハウス「eATS」を開設することでも合意した。

労使交渉の第1段階で合意していた電気駆動装置のプロトタイプを製造する「Eテヒニクム」部門(メッティンゲン)も今後さらに増強していく。

同工場では、2015年に合意した将来計画で燃料電池システムの組み立てを行うことで合意していたが、今回は、スタック生産も同工場で行うことで合意した。

電池の生産はブリュール工場で行う予定。

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