独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダは、2018年から小型車「ファビア」のディーゼル車の販売を停止する。ディーゼル車の排ガス処理装置にかかるコスト負担の増加が理由であり、シュコダのベルンハルト・マイアー社長が14日に開幕したフランクフルトモーターショー(IAA)で独経済紙『ハンデルスブラット』(9月15日発行)に明らかにした。ディーゼル車の販売停止を宣言したのはVWグループ傘下のブランドでは初めてとなる。
マイアー社長は今回の措置について、排ガス処理装置のコスト増加を理由とした。排ガス規制の厳格化が進むにつれ、排ガス処理装置に必要なコストは増加している。一方、小型車を購入する顧客は予算が限られている人が多く、価格に敏感なため、値上げが難しいとされている。『ハンデルスブラット』紙によると、専門家は今後数年におけるディーゼル車の排ガス処理装置に必要な追加コストは1台あたり約1,000ユーロになるとみている。
シュコダは、「ファビア」のディーゼル車の販売停止により、値上げを回避する戦略だ。今回の措置は、「ファビア」のシリーズモデルすべてが対象であり、一部の地域だけでなく、世界市場で実施する。マイアー社長は、今後2~3年以内に市場投入する予定の次期「ファビア」モデルでもディーゼル車は販売しないとしている。
■ VWの小型車「ポロ」では引き続きディーゼル車を販売
一方、VWグループの小型車でも、9月に店頭販売を開始したVWブランドの「ポロ」の新モデルでは引き続きディーゼル車を提供している。また、「ポロ」の新モデルでは、ディーゼル車の排ガス処理システムである選択触媒還元(SCR)システムを採用しており、SCRシステムで使われる尿素水「アドブルー(AdBlue)」のタンクのサイズは、これまで大型車に搭載してきた12リットルタンクを採用している。
VW本社は「ファビア」と「ポロ」のディーゼル対応の違いについての質問に対し、VWグループ傘下のブランドの位置づけとして、VWはシュコダよりも上位であり、「ポロ」は「ファビア」よりも付加価値が高いモデルであるため、と説明している。