欧州連合(EU)は6日、ブラジルとロシア、ウクライナ、イランで生産する熱延鋼板に反ダンピング(不当廉売)措置を発動すると発表した。7日から1トン当たり17.6~96.5ユーロの関税を課す。
課税額はメーカーによって異なる。ブラジル製は1トン当たり53.4~63ユーロ、ロシア製は17.6~96.5ユーロ、イラン製が57.5ユーロ、ウクライナ製が60.5ユーロとなる。
EUは域内の業界団体である欧州鉄鋼協会(EUROFER)から、これらの国々の鉄鋼メーカーが不当な廉価で輸出し、域内メーカーの経営を圧迫しているという苦情が寄せられたことを受けて、反ダンピング措置の発動を決めた。欧州委員会は当初、価格に下限(1トン当たり472.27ユーロ)を設ける方針だったが、加盟国の反対で関税を上乗せする方式とした。また、同方式に関しては、EUでは税率を引き上げるのが通常だが、今回は固定した課税額を上乗せする。