独自動車大手のダイムラーは16日、上部組織(Daimler AG)の傘下で3つの事業部門が独立した組織として事業展開する、新しい組織構造を検討していると発表した。すでに法的に独立した組織である金融子会社のダイムラー・ファイナンシャル・サービスズに加え、乗用車・小型商用車事業のメルセデスベンツ・カーズ・アンド・バンズ、商用車事業のダイムラー・トラックス・アンド・バスズをそれぞれ独立した組織とし、事業経営における権限を強化する。
今後さらに組織再編の影響やリスクなどを包括的に調査・分析したうえで最終決定する方針であり、早くとも2019年の株主総会で承認を得る見通しを示している。
ダイムラーは組織再編について、変化の激しい市場環境により迅速かつ柔軟に対応できる体制とし、今後の成長に向けた競争力を強化することが狙いであり、コスト削減や人員削減が目的ではないと強調している。
また、今回の発表は、組織再編の分析調査の結果を踏まえ、取締役会が当該プロジェクトの継続を決定したもので、準備を続けるため、最初のステップとして数億ユーロを投資するとした。従業員側の代表とは、2029年末まで雇用を保証するほか、ドイツの年金資産を30億ユーロ増強することなどで基本合意した。